本願寺出版社 閉じる
こころのお見舞い −光− ◆もうひとつの生き方
手話通訳で仏法を伝えたい  川渕依子さん

お浄土から母が、私を生んで本当によかった
と思ってくれるような生き方がしたいのです。


手話通訳から得た仏さまとの出遇い
難解な仏教の言葉を手話でいかに伝えるか… 川渕依子さん写真

川渕さんは、それからは法座のある寺院のご住職とご講師の許可を得て、法話の手話通訳を始めた。またその後、西本願寺からの依頼があり、ご門主のご親教や法話の手話通訳を始めることとなる。しかしこれには大きな困難を伴った。

 「初めての法話の手話通訳は、大きなショックを受けました。これは手話技術の上手、下手とか、手話を知っている、知らないという問題ではなかったのです。いかに私自身が仏法に明るいか、明るくないかに関わってくるのです。ただ自分で聞いている場合は、分かろうが分かるまいが、これはただ過ぎてゆくだけですが、通訳となるとそうはいきません。仏教用語をそのまま指文字で表現するわけにもいきません。難しい仏教用語を意訳し、通訳する知識がなければならないということに初めて気がついたのです。

 そこで私は聴覚障害者も、手話通訳者も仏教、お釈迦さまからの勉強が必要だと思い、仏さまのお話を聞くための勉強会『帰依の会』を始めました。現在では、この会を始めて二十年経っています。

手話:たいせつ・愛する・かわいがる

 けれども仏さまのお話を手話通訳しても、最初の頃はなかなか分かってもらえなかったのです。手話通訳が難しいこともありました。でもいったん『仏さまは私を抱いていてくださる』と分かったら、きれいな心にスカッと入るのです。 」


つづきはご購入いただいてお楽しみください。
閉じる